認知症は精神科を受診する病気

です。しかし、精神病院へ行くのは容易ではありません。なぜなら、一度入院すると死ぬまで出られない、牢獄のような部屋に閉じ込められる、手足の自由を奪われる、一日中薬で寝かされるなど精神病院に対する悪いイメージが、本人や家族に受診を躊躇させるからです。精神病院に通っていると世間体も悪いですしね。

結論から言えば、認知症を疑う場合に精神科を受診しないという選択は、間違いではありません。特に、高齢の認知症患者は高脂血症、動脈硬化、骨粗しょう症など内科的な持病を抱えていたり、肺炎や骨折などの病気や怪我になりやすいため、高齢の認知症患者の治療内容は明らかに精神科の守備範囲を超えています。そのため、

精神科医が認知症の専門家というわけではない

というのが現実です。それでは、脳神経外科や心療内科を受診すればいいのでしょうか?これも精神科医と同じ理由でノーです。

認知症患者は、活動(徘徊を含む)することで認知症の進行を自ら遅らせている

のですが、

現在の医療や介護は活動を抑制

しています。

認知症の専門家医不足

認知症治療(進行の抑制と症状の改善)設備の整った病院が不足

しているからです。

この現状を打開するため、1980年代に有志が集まって

日本認知症学会

日本老年精神医学会

が相次いで設立されました。両学会とも充分な成果を挙げている状況ではありませんが、30年近く行われてきた認知症の専門医育成は着実に成果を挙げています。認知症治療に対する医師や病院の意識も変わりつつあります。残るは、

認知症の改善治療を私たちが医療に求める

ことで、専門医の育成を加速させるだけです。

主治医が認知症の専門であれば、認知症の進行を遅らせるだけでなく改善もできます。

評判で医師を選ぶのが基本ですが、両学会の「認定医」がいる「認定病院」もぜひ受診してください。たとえそこが精神病院であったとしても、ぜひご自分の目でイメージと現実の違いを確認してください。

誰もが天寿を全うするまで愛する人々を忘れない自分でいたい

じゃないですか。

認知症の予防情報

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