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別サイトで2011年の4月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?を投稿し、翌2012年3月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?パート2を投稿、2013年3月には2013年福島第一原発の今を、2014年3月には2014年福島第一原発の今を、2015年3月には2015年福島第一原発の今を投稿しましたが、原発事故から丸五年になる今月、あのとき予測した最悪のシナリオが、今どうなっているのかを今年も検証してみました。

復興状況

結論から言えば、

この五年間の最大の進展は、最悪のシナリオが事故直後にはすでに現実になっていたと東電が認めたこと

です。つまり、

原子炉は五年前には廃炉が不可能と判明、最悪の事態が周囲に拡大するのを阻止するためだけにこの五年間が費やされた

ということです。

今後の最重要課題

廃炉は不可能という事実を受けて、私達に突きつけられている課題は

廃炉以外の選択肢を得ることとそのメリット・デメリットの議論を急ぐ必要がある

ということです。ただ、

国や東電は廃炉以外のロードマップ案を国民に示すことはできても説得できる材料がない

ので、私達は危なっかしい原発運転に今後も付き合うしかなさそうです。

東電や国の隠蔽体質の健在ぶりは、「最悪の事態は起こっていない」と五年間言い続けてきたことからも明らか

ですが、

炉心溶融がもはや隠せない段階まで進んでいる現状を冷静に分析したうえでの自白

ですから、根っからの隠蔽体質を改めたわけではありません。

科学技術の進歩で原発管理の玄人になるまで、ど素人同然の現状を隠蔽し続けることが死守すべき隠蔽ですので、国は廃炉までの工程を好きなだけ延長して原発を使い続けていく

ことでしょう。

福島第一原発は負の遺産ではなく自衛隊基地になる

福島第一原発とその周辺地域には、東日本大震災の治らない傷として国民の記憶を呼び覚ますというメリットがある

と去年も言及しましたが、具体的にこのメリットを実現させようという計画があるようです。この計画が実現すると、

現在全国にある原発が廃炉にできない場合の代替案として、原発を分厚いコンクリートに閉じ込めるモニュメント化と観光地化が進む

かもしれません。運良く廃炉にできたとしても、

燃料棒の保管は未来永劫的に必要ですので、廃炉不可能が決定した福島第一原発とその周辺地域が最終処分場になるのはほぼ確実

でしょう。

住民は一生自宅には戻れませんから、その保障として国が借地料を払って自衛隊基地として使う

ことが予想されます。

終わらない最悪事態との格闘や六ヶ所村の再処理施設問題を国民の目から遠ざける

ことができますし、

最終処分場の上を自衛隊基地にすればテロ対策としても万全

です。

自衛隊が原子力の玄人になれば、日本が核兵器の技術大国になるという選択肢も確保

できます。核兵器の先進国になって、核兵器を無力化するのかそれとも核兵器大国になるのかは不明ですが、福島第一原発が自衛隊基地になるというシナリオが現実になったら、この路線だと思ってください。

福島第一原発の教訓

東日本大震災の教訓を受けて、南海トラフや首都直下型地震の被害予想が上方修正されていますが、

対象地域にある原発の被害予想は相変わらずの非公開

です。炉心溶解という最悪の事態はいかなる「想定外」が発生しても回避できると信じたいところですが、信じる国民は皆無でしょう。原発を使い続けると私たち国民が選択した以上、最悪の事態は誰もが覚悟しなければなりませんが、

これから大震災に襲われる地域では死者数を始めとする被害の規模が東日本大震災とは桁違い、復興までの期間も桁違い

になる覚悟も合わせてしておく必要があります。

東日本大震災の被災体験を私達は今後も体験していく道を選びました。したがって、被災者の五年間から多くの教訓を得ることができます。原発と暮らす人々も同じです。福島第一原発と共に暮らしていた人々の体験から多くを学んでください。そのために、被災者を支えながら彼らに注目し続けてください。明日は我が身なのですから。

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