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万策尽きて伝家の宝刀を抜いた形の衆議院解散ですが、私たち国民の側も万策が尽きていることをいい加減認める時期ではないでしょうか。

安定した老後を保障して欲しい、景気を良くして欲しい、税金を上げないで欲しいなどの「欲しい選挙」では何も解決しない

ことは、皆さん既に痛感しているはずです。でも皆さん、もっとも痛感すべきは、

あなたがこの国の共同経営者であるという自覚

です。自覚できれば、ボケる暇がなくなります。

「国民主権というのは名ばかりで、実際には機能しない仕組みじゃないか」

と反論されるのであれば、「機能しない仕組みをどうして変えなかったのか?」と問われます。「国会議員が悪い」と言うなら、「悪い仕組みを変えようとしない国会議員を選んだのは誰か?」と問われます。「それを選挙公約に掲げる立候補者がいなかった」と弁解するなら、「選挙民が望んでいたならその公約を掲げたのではないか?」と問われます。すると、最後には

「景気や社会保障や雇用の確保を優先させた自分の選択の結果だ」

との見解に辿り着きます。つまり、皆さんは自らが選択した現実を今見ているわけです。

21世紀になってからの選挙公約は、どの政党もまったく変わっていません。「欲しい選挙」を私たちが続ける限り変わり様もありません。すると、来年この国はさらに悪化します。今年が去年より、去年が一昨年より悪化したとの自覚があれば、自ら改善に取り組まない限り、この国が改善することはないと知るべきです。

機能不全を問題にするなら、原因である制度を痛い思いをして改革

するしかありません。

痛い思いをするのは、もちろん主権者であるあなた

です。すでに、激痛を伴わない改善策はありません。早期治療を怠ったがために手術を受けなければならなくなっている状態なのです。

「景気回復が最優先課題だ」と言う方の多くは、

2002年から2008年までが戦後最長の好景気

だったと言うと驚きますが、急激な高齢化と人口減少が避けられない現状では、今後好景気になったとしてもあなたの財布が膨らむことはないと覚悟した方が賢明です。

家計の回復は、労働人口が増加に転じた後にしか来ない

からです。

また、社会保障制度を問題にする方の多くは、年金や介護や医療を問題にしますが、実は

問題の本質は社会保障の大部分が保険制度になっている

という点にあります。保険料を支払わないと社会保障も無いわけですから、急増し続けている無年金者や年金だけでは食べていけない人、寝たきりでも介護を受けられない人、病気でも治療を断られる人はそもそも保障の対象外なのです。しかし、社会保障の深刻な課題は、現在も未来も

保険制度で救えない人をどう救うのか

という一点に尽きます。保険制度は多くの天下り先を確保する制度にもなっているので、個人負担を増やすことで国は延命化を図ってきましたが、

保険料を払えず脱落していく国民が増える一方では破綻は明白

です。警鐘は鳴らしませんが、アリバイ作りのために国も公に認めています。「知らなかった」と言う国民が悪い、というために。

そして、雇用問題の本質は雇用のミスマッチ、つまり

やりたい仕事とやっている仕事のミスマッチ

です。需要と供給のミスマッチではありません。ホワイトカラーを養成するだけでは無く、匠を養成するための職業訓練であり、学校教育でもあるべきです。学費は無料とし、生涯学習を基本に据えるべきです。能力のある人は終生働いて社会保障要らずとし、外国でも活躍できる、国際貢献のできる日本人づくりを教育制度は目指すべきです。現行教育制度の目的である主権者づくりも成功してるとはいえませんが、その原因は主権者像すら示せない現在の教育制度にあります。経済的には、一次、二次産業へ多様な人材を呼び込めなければ国民に中流意識が戻る時代はやってきません。経済成長の実感だけでなく、雇用の確保も国民総労働人口も実現しません。

したがって、政治を中心に国や地方自治体がやることは、

国民がやりたいことをやれるよう選択肢を増やし方向転換できる環境を整備

することです。社会的弱者と呼ばれる人々に対してもやることは一緒です。お金を与えることが社会保障ではないはずです。国民が自由に人生設計を描き、その実現に国や地方が協力するなら、多様な人材が輩出され、家庭や地域や国や国際社会で、日本人が多大な貢献をすることになるのは間違いありません。

人生の豊かさは選べる選択肢の多さで決まります。

それは地域にとっても、国家にとっても、国際社会にとっても同じことです。選べる選択肢の多さが変化に強い個人や地域や国家や国際社会をつくるからです。個人間、地域間、国家間の連携強化、パートナーシップも選べる選択肢の多さで決まります。そして、

今私たちに求められている改革力も選べる選択肢の多さで決まる

からです。

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