別サイトで2011年の4月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?を投稿し、翌2012年3月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?パート2を投稿、さらに2013年3月には2013年福島第一原発の今を投稿しましたが、原発事故から丸三年になる今月、あのとき予測した最悪のシナリオが、今どうなっているのかを今年も検証してみました。

まず、この一年の報道からわかることは、

原子炉は未だにコントロール下にはなく、作業員頼みの状況が相変わらず続いている

ということです。4号機で廃炉に着手と報道されましたが、震災前から核燃料棒の破損が何本も確認されており、放射線量によってはその取り出しが不可能になるので、

4号機も1~3号機同様廃炉の目処は全く立っていない

というのが正確な現状認識だと思います。

この現実から見える最大のリスクは、

原子力発電所はどこも破損した核燃料棒を抱えており、誰も撤去できない

ということです。つまり、

既存の原子力発電所は、少なくとも10万年は取り壊せない

というブラックジョークのようなリスクを地元は抱え続けることになるわけです。そうなると、

原発から出るゴミ(放射性廃棄物)の安全な捨て場所を急いで決める必要もない

でしょう。なぜなら、

原発のある地域が、廃炉の時点で自動的にゴミ捨て場になる

からです。現状から見える未来は、

国内すべての原発施設は福島第一原発と同じ運命を辿る

という未来です。

22世紀には、原発はすべて広大な自然の中に眠る巨大古墳と化している

かもしれません。

上述のリスクには、まだため息をつく余裕がありますが、人災というリスクには時間的余裕もリスク軽減も無いのが現状です。現場で働く多くの人の献身的努力によって、

原子炉は停止に至り事態の更なる悪化は防止できています

と昨年お伝えしましたが、

緊急事態を理由に人材育成を無視した使い捨て雇用を続けた結果、現場にはベテラン作業員が皆無

に等しい状況です。したがって、

汚染水事故を始め様々な事故が今後益々多発

するのは避けられないでしょう。

それでも原発を使い続ける最大の理由は、核燃料棒の破損を隠し続けてきた国や電力の隠蔽体質からすると、

原発の危険性を国民から隠すため

でしょう。

国際機関による安全度の確認を急いでやり、最悪のリスクを国際的に共有したうえで政策を進めていかないと、多くの国民の生命財産を損ない、国内外の信用を失い続ける結果が待っています。巨大地震も原発テロも待ってはくれないからです。

東日本大震災の教訓をそろそろ真面目に実行に移す時期です。まずは隠蔽体質の国家から脱却することです。情報公開は請求が無くてもすべて公開しなくてはなりません。責任者に不都合な事実の隠蔽は、その不利益の大きさから特定機密の漏洩より強く非難される行為です。誤った現状認識に基づいて国民は決断させられるからです。

老人大国日本で国民が決断すべきことはひとつです。

国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるか

です。日本はすでに亡国の道を歩み始めています。老人大国がピークになれば、引き返せない道です。

次の教訓がやってくる前に、歩んでいる現実から未来を見通されんことを祈るばかりです。

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