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別サイトで2011年の4月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?を投稿し、翌2012年3月に福島原発事故最悪のシナリオを実現させる主役は誰?パート2を投稿、2013年3月には2013年福島第一原発の今を、2014年3月には2014年福島第一原発の今を投稿しましたが、原発事故から丸四年になる今月、あのとき予測した最悪のシナリオが、今どうなっているのかを今年も検証してみました。

結論から言えば、この四年間は最悪のシナリオどおりに進行してきました。

原子炉は未だにコントロール下にはなく、作業員頼みの状況に打開策無し

がその最たるものですが、予想以上の速さで進行しているシナリオで最悪なのが、すでに

廃炉実現の可能性が限りなくゼロに近づいている現状

です。4号機から燃料棒がすべて撤去できたので、廃炉に向け大きく前進できるのではと期待する方もいらっしゃいますが、現実は逆です。

作業員頼みでできる改善が限界まで来たというのが現実

だからです。このことは、

1~3号機からの地下水汚染が悪化の一途である現状からも明らか

です。

汚染水事故を始め様々な事故が今後益々多発

するのも相変わらずでしょうが、

電力会社や国の隠蔽体質も相変わらず

なので、

身内だけで解決するという手段に固執している間は、環境汚染が進む一方

でしょう。

意外かもしれませんが、この最悪のシナリオが日々現実になっていくことで生まれるメリットもあります。それは、東日本大震災からの復興が完了し震災の傷跡が東日本から消えても、

福島第一原発とその周辺地域が、東日本大震災の治らない傷として国民の記憶を常に呼び起こすというメリット

です。

しかも、この生傷は日本全国で今後も増えていくので、国民は経済的理由から原子力発電所との共存を選択したつけ、つまり原子力発電所の恐怖と日々向き合う羽目になります。壊れた燃料棒だけでなく、使用済燃料棒の安全な処理も確立できていないので、

原子力発電所とその周辺地域が、そのまま核廃棄物の最終処分場になる可能性が高まる一方

だからです。国は最終処分場に関する政策は決定しましたが、実行する手段は将来の技術頼みというのが正直なところです。

笑うしか無いのが、残りのリスクはすべて神頼みという現実です。今すぐに起こっても不思議ではない最悪のリスク、最大の恐怖は

原子力発電所に対する同時多発的な破壊攻撃

です。このリスクは、テロリストがご丁寧にも日本をテロの対象にすると明言したことでにわかに現実味を帯びたように見えますが、東日本大震災のはるか前から対策が叫ばれていたリスクです。原子力発電所は日本最大の急所であり、瞬時に経済力と国防力を壊滅的に破壊できることが十分確認されましたので、原子力発電所のある周辺地域の住民は、自分や家族の生命財産を一瞬にして失う覚悟をしておくべきです。返す返すも残念なのは、このリスク対策を普通にやっていれば、福島第一原発の現状は回避できた可能性が高かったと思われることです。

今すぐに起こっても不思議ではない最悪のリスク、最大の恐怖はまだあります。

東海、東南海及び南海沖地震とその津波被害

です。原発のテロ対策に大きな不安を感じる国民が多いのに比べ、原発の地震と津波対策には不安を覚える国民が少ない、あるいは諦めている国民が多いようですが、

国や電力会社の「想定外」釈明をもう一度聞かされる羽目になる

ことを危惧する私としては、

過去の犠牲者にではなく、将来の犠牲者に多くの国民が目を向けることで、この問題の深刻さを理解して行動して欲しい

と神頼みするばかりです。

個人的には、

最悪のシナリオが実現するまで無関心・無反応な国民性が諸悪の根源

だと思っていますが、現状は

「起こる被害は甘受する」に等しい選択

が事実上の多数ですから、民意がこの選択のまま推移するようであれば、

先送り政策の犠牲者は東日本大震災以降も増え続ける

ことになります。忘れないでいただきたいのは、

先送り政策には加害者も被害者もいない

ということです。単純に

自己決定自己責任が民主国家の基本だから

です。

与えられた民主主義は機能しないのでしょうか?残念ながら、日本人を見ているとそう思わずにはいられません。

One Reply to “2015年福島第一原発の今”

  1. はじめまして。
    本当に、いつまでも隠蔽体質は改善されませんよね…。
    もう永久に明るみにされないのではないかと思っています。
    日本が好きで、日本の生活が好きなのに、このまま日本にいることを不安にさせているのが、国自体だと思うと悲しくなります。

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