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Windows 7 32bit + CentOS6.5 i386 = DualBoot環境を構築

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実現する機能

職場のパソコンは、Windows 7 Professional搭載のB451-E、Toshiba dynabook Satelliteシリーズのノートパソコンです。職場では約千台のパソコンが稼動しており、500台がシンクラという高セキュリティの環境ですが、残りの500台は市販のパソコンを渡されてセキュリティは個人責任でお願いねという環境なので、後者の側に立たされた私としては、その時点でWindowsを使うという選択肢が無くなりました。そこで、SELinuxを導入して高セキュリティ化を図るために、フリーのOS「CentOS(セントオーエス)6.5 i386」もインストールしてデュアルブート環境を構築しました。今回はその備忘録です。
CentOSを削除してもWindowsが使えるように、起動の選択画面ではCentOSのGRUBではなくWindowsのブートマネージャーを使用しました。CentOSのGRUBを使う方法はこちらで説明しています。

事前作業

(0)市販のUSBメモリー(容量1Gもあれば充分)を準備しておく
(1)お使いのWindowsパソコンが32bitか64bitかを確認するため、デスクトップ赤枠1の「スタート」アイコンを左クリック(単に「クリック」と表示したら左クリックのこと。画像をクリックすると拡大表示。以下同じ)し、赤枠2の「コンピュータ」を右クリックして、表示される一覧から赤枠3の「プロパティ」をクリック。

(2)表示される画面の赤枠部分で確認。「32ビットオペレーティングシステム」とあるので、32bit版のCentOS6.5 i386をダウンロードする(ここをクリックするとダウンロードできますので保存しておいてください)。64bitならCentOS6.5 x86_64をダウンロードする(ここをクリックするとダウンロードできますので保存しておいてください)。

(3)CentOS6.5インストールDVDを作成しておく(こちらで作成手順を説明しています)。

デュアルブート環境の構築手順

1.Windows 7での作業手順

(1)デスクトップ赤枠1の「スタート」アイコンをクリックし、赤枠2の「コンピュータ」を右クリックして、表示される一覧から赤枠3の「管理」をクリック。

(2)新たに表示される画面の赤枠1「ディスクの管理」をクリックし、表示される赤枠2「ボリュームC」を右クリックし、新たに表示される一覧から赤枠3の「ボリュームの縮小」をクリック。

(3)赤枠1に縮小可能な最大サイズが表示されるので、サイズを変更したい場合には入力のこと。例示では「40000」と入力して40Gとした。OKなら赤枠2の「縮小」をクリック。

(4)「未割り当て」領域が赤枠のように作成されたことを確認して、CentOS6.5 i386のDVDをセットする。

2.CentOS6.5のインストール手順

(1)CentOS6.5 i386のDVDが設定されていることを確認して、パソコンを再起動

(2)赤枠の「Install or upgrade an existing system」を選んで「Enter」キーを押す。

(3)赤枠の「Skip」ボタンにカーソルを移動させて「Enter」キーを押し、インストールDVDが壊れていないかのテストをスキップ。

(4)赤枠の「Next」をクリック。

(5)赤枠1の「Japanese(日本語)」をクリックし、赤枠2の「Next」をクリック。

(6)赤枠1の「日本語」をクリックし、赤枠2の「次」をクリック。

(7)赤枠1の「基本ストレージデバイス」を選択し、赤枠2の「次」をクリック。

(8)赤枠1にホスト名を入力して、赤枠2の「次」をクリック。職場のパソコンならパソコン名をホスト名にしても可

(9)赤枠1が「アジア/日本」であることを確認し、赤枠2のチェックを外し、赤枠3の「次」をクリック。

(10)赤枠1にroot(管理者)のパスワードを作成し、赤枠2の「次」をクリック。

(11)赤枠1の「空き領域を使用する」を選択し、赤枠2の「パーティションのレイアウトをレビュー又は修正する」を選択し、赤枠3の「次」をクリック。

(12)下図上欄の「LVM」(logical volume manager)ボリュームグループは、複数のハード・ディスクやパーティションにまたがった記憶領域を一個のハードディスクとして管理する機能。赤枠1のsda5、sda6はWindowsでのCドライブやDドライブに相当。ntfsタイプのsda1-3はWindows 7が使用しているドライブ部分。sdaが一個目のハードディスクの名称。二個目を接続するとsdbと表示される。
赤枠1の意味は、sda5パーティションに起動ソフトなどOSが使うソフト用フォルダを500メガを割り当ててbootという名称で作成。sda6にユーザが使うソフトやデータを格納する39499メガのボリュームを作成。LVMがsda6の内容で、メモリが足りなくなった場合に使われるswap用に3968メガのlv_swapボリュームを作成し、ユーザーが利用するソフトやデータの格納用に35528メガのlv_rootボリュームを作成するという意味。通常は変更の必要がないので、赤枠2の「次」をクリック。

(13)上図赤枠1のチェック部分が上書きされるので、Windows領域でないこと(ntfsタイプでないこと)を確認後に赤枠の「変更をディスクに書き込む」をクリック

(14)CentOSを削除してもWindows 7 が使えるようにするため、今回はWindowsのブートローダーを使うので、赤枠の「デバイスの変更」をクリック。CentOSのブートローダーを使う場合は変更の必要はない

(15)表示される画面の赤枠1「ブートパーティションの最初のセクタ」をクリックして、赤枠2の「OK」をクリック

(16)表示される画面の赤枠1「ブートパーティションの最初のセクタ」をクリックして、赤枠2の「OK」をクリック

(17)赤枠1が変更されていることを確認して(例示では/dev/sdaから/dev/sda5へ変更)、赤枠2の「次」をクリック

(18)描画機能が必要な方は、赤枠1の「アプリケーション」をクリックし、表示される赤枠2の「グラフィックスツール」を選び、赤枠3の「次」をクリック

(19)インストールが開始され、終わるとこの画面が表示されるのが、DVDは取り出さずに「再起動」ボタンをクリック

3.CentOS6.5のブートファイルのコピー手順

(1)再起動後にこの画面になったら、赤枠の「Rescue installed system」を「↓」キーで選んで「ENTER」キーを押す

(2)この画面になったら、赤枠1の「English」を「↓」キーで選んで「ENTER」キーを押す

(3)この画面になったら、赤枠1の「jp106」を「↓」キーで選んで「ENTER」キーを押す

(4)この画面になったら、赤枠の「No」を「→」キーで選んで「ENTER」キーを押す

(5)この画面になったら、赤枠の「Continue」を選んで「ENTER」キーを押す

(6)この画面になったら「ENTER」キーを押す

(7)この画面になったら「ENTER」キーを押す

(8)この画面になったら「ENTER」キーを押す

(9)この画面になったら、赤枠部分が表示されていることを確認して、USBメモリーをパソコンに差し込む。ここからは、「bash-4.1#」の右に(10)のコマンドを入力していく作業になる

(10)下記文字の黄色は入力するコマンド。入力後は必ず「Enter」キーを押すこと。緑は説明書き、白は自動で表示される部分

bash-4.1# df ← ハードディスクの使用状況を確認して、bootパーティションを確認する
Filesystem            1K-blocks       Used  Available Use% Mounted on
/dev                    2024392        264   2024128    1% /dev
none                     256000     139732    116260   55% /tmp
/dev/loop0               139520     139520         0  100% /mnt/runtime
/dev/mapper/vg_u767-lv_root
                       35808912    4217396   29772484  13% /
/dev/sda5                495844      65466     404778  14% /boot ← bootとある
ので/dev/sda5がbootパーティション
/dev                    2024392        264   2024128    1% /mnt/sysimage/boot
/dev/tmpfs              2024392          0   2024392    1% /mnt/sysimage/dev/shm

bash-4.1# dd if=/dev/sda5 of=Cent65.bin bs=512 count=1 ← GRUBをインストールし
たパーティション/dev/sda5のブートイメージをCent65.binファイル名で作成

bash-4.1# fdisk -l ← USBメモリーの場所を確認する
Device Boot     Start       End       Blocks       Id   System
/dev/sda1   *       1       192      1536000       27   none
/dev/sda2         192     23000    183209984        7   HPFS/NTFS
/dev/sda3       28100     30402     18490368       17   HPFS/NTFS
/dev/sda4       23000     28100     40961024        5   Linux
/dev/sda5       23001     23064       512000       83   Linux
/dev/sda6       23064     28100     40446976       8e   Linux LVM
/dev/sdb1          51     40071      3905600        c   W95 FAT32 (LBA) ← W95
 FAT32とあるので、これがUSBメモリー

bash-4.1# mkdir /mnt/usbmem ← mntフォルダにusbmemフォルダを作成

bash-4.1# mount -t vfat /dev/sdb1 /mnt/usbmem ← sdb1デバイスの内容をusbmemフォ
ルダ内に表示

bash-4.1# cp Cent65.bin /mnt/usbmem ← Cent65.binファイルをusbmemフォルダにコピー

bash-4.1# ls /mnt/usbmem ← コピーされたかの確認
Cent65.bin ← 表示されるのでコピーされている

bash-4.1# umount /mnt/usbmem ← sdb1デバイス(USBメモリー)の取り外し

bash-4.1# reboot ← パソコンの再起動

(11)USBメモリーを抜く
(12)自動でWindows 7 が起動する

4.Windows 7にCentOS6.5のブートファイルをコピー&起動の設定手順

(1)赤枠1の「スタート」アイコンをクリックし、赤枠2の「コンピュータ」をクリック

(2)赤枠の「リムーバブルディスク」ダブルクリック

(3)上赤枠の「Cent65.bin」ファイルをクリックしたまま、下赤枠の「C:」ドライブまでカーソルを移動させクリックを終わる(ドラッグ&ドロップ)とコピーされる

(4)この画面が表示されたら、赤枠の「続行」をクリック

(5)赤枠1のCドライブをクリックし、赤枠2の「Cent65.bin」ファイルがドライブ内にコピーされていることを確認

(6)赤枠1の「スタート」アイコンをクリックし、赤枠2の「すべてのプログラム」をクリック

(7)赤枠の「アクセサリ」をクリック

(8)赤枠1の「コマンドプロンプト」を右クリックし、赤枠2の「管理者として実行」をクリック

(9)「次のプログラムにこのコンピュータへの変更を許可しますか?」という確認画面が出る場合には「はい」をクリック
(10)コマンドプロンプト画面が表示されたら、赤枠部分に(11)のコマンドを入力

(11)下記文字の黄色は入力するコマンド。入力後は必ず「Enter」キーを押すこと。緑は説明書き、白は自動で表示される部分

Microsoft Windows [Version 6.1.7601]
Copyright (c) 2009 Microsoft Corporation.  All rights reserved.

C:\windows\system32> bcdedit /create /d "CentOS65" /application bootsector
 ← CentOS65用のブートエントリを作成
エントリ {72d8d727-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759} は正常に作成されました。 ← エン
トリを以下のコマンドで使う

(A)エントリは以下の方法でコピー&ペーストする方法が簡単。プロンプト画面内で右クリックして赤枠を表示させ、クリック

(B)赤枠までカーソルを移動させ、「Shift」キーを押しながら「→」キーを押して{ から }まで白塗りし、「ENTER」キーを押す。コピーはこれで完了。貼り付けは(C)を参照のこと

(C)エントリを貼り付ける場合には、その場所で右クリックして赤枠を表示させクリックすると貼り付け完了

(D)貼り付けの例示。コマンドは「↑」キーを押すことで入力済みのコマンドを表示させて流用できる

C:\windows\system32> bcdedit /set {72d8d727-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759} device partition=C:
 ← Cドライブのパーティションにエントリを追加
この操作を正しく終了しました。

C:\windows\system32> bcdedit /set {72d8d727-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759} path ¥Cent65.bin
 ← エントリにCentOS65のブートイメージを指定
この操作を正しく終了しました。

C:\windows\system32> bcdedit /displayorder {72d8d727-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759} /addlast
 ← エントリを一覧に追加
この操作を正しく終了しました。

C:\windows\system32>bcdedit ← ブート構成を確認

Windows ブート マネージャー
--------------------------------
identifier              {bootmgr}
device                  partition=¥Device¥HarddiskVolume1
description             Windows Boot Manager
locale                  ja-JP
inherit                 {globalsettings}
default                 {current}
resumeobject            {dcd0e8a5-c5bd-11e3-9d74-dd94fab9ed4b}
displayorder            {current}
                        {72d8d726-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759}
toolsdisplayorder       {memdiag}
timeout                 5

Windows ブート ローダー
--------------------------------
identifier              {current}
device                  partition=C:
path                    ¥windows¥system32¥winload.exe
description             Windows 7
locale                  ja-JP
inherit                 {bootloadersettings}
recoverysequence        {72d8d71d-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759}
recoveryenabled         Yes
osdevice                partition=C:
systemroot              ¥windows
resumeobject            {dcd0e8a5-c5bd-11e3-9d74-dd94fab9ed4b}
nx                      OptIn

リアル モード ブート セクター ← CentOS65が追加されている
--------------------------------
identifier              {72d8d726-c5c4-11e3-9bba-e8e0b77d0759}
device                  partition=C:
path                    ¥Cent65.bin
description             CentOS65

(12)Windows 7 を再起動する
(13)Windowsのブートマネージャー画面が表示されるので、赤枠の「Cent65」を「↓」キーで選んで「ENTER」キーを押し、CentOSが起動されれば成功。選択しなければWindows 7 が自動で起動する。

(14)起動が完了するとこの画面が表示されるので、赤枠の「進む」ボタンをクリック

(15)赤枠1の「・・・同意します」にチェックを入れ、赤枠2の「進む」ボタンをクリック

(16)赤枠1のユーザー名とパスワードを作成入力し、赤枠2の「進む」ボタンをクリック

(17)設定したパスワードが簡単だと警告画面が出るが、忘れるよりはマシなので赤枠2の「はい」ボタンをクリック

(18)赤枠1の日付と時間を修正し、赤枠2の「進む」ボタンをクリック

(19)赤枠1のKdumpメモリーは最低でも「128」は必要。入力後赤枠2の「終了」ボタンをクリック

(20)変更を反映させるために再起動が必要との画面が表示されるので、赤枠の「はい」ボタンをクリック

(21)再度再起動が必要との画面が表示されるので、赤枠の「OK」ボタンをクリック

(22)再起動後は登録したユーザー名が表示されるので、赤枠をクリック

(23)パスワード入力画面が表示されるので、赤枠1に(22)で設定したパスワードを入力して赤枠2の「ログイン」をクリック


以上

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